漫才台本その17「戦隊ヒーロー」
ボ「戦隊ヒーローっていいですよね」
ツ「かっこいいよね」
ボ「ちょっと考えてきたんで発表してもいいですか?」
ツ「オリジナルの戦隊ヒーロー?」
ボ「そうそう。それぞれの色にフレーズがあるのね」
ツ「キャッチフレーズね」
ボ「灼熱の、レッド!」
ツ「かっこいいね。炎を操る力を持ってるんでしょうね」
ボ「氷結の、ブルー!」
ツ「なんでも凍らす力を持ってるんでしょうね」
ボ「お酒は二十歳になってから!」
ツ「まさかのお酒の方というね。お酒の力を借りて戦うのかな」
ボ「手のひら、イエロー!」
ツ「みかん食べすぎちゃったのかな。黄色くなっちゃうよねたまに」
ボ「食パン、グリーン!」
ツ「食べない方がいい!カビだからそれ!むしろ敵に食べさせて腹痛を誘う能力かな?」
ボ「稲妻の、ブラック!」
ツ「ブラックが稲妻なんだね。イエローのイメージが強いけど。ブラックが稲妻って、ブラックサ〇ダーだ!お菓子の名前になっちゃってるよ!」
ボ「16時間労働、ホワイト!」
ツ「絶対ブラックだよそれぇ。今すぐやめた方がいいよ」
ボ「ぶりっこ、ピンク!」
ツ「たしかにね。ピンクピンクしてる子ってぶりっこかもしれないね」
ボ「媚び売り、ピンク!」
ツ「そういうイメージもあるねピンクって」
ボ「実は性格めちゃくちゃ悪い、ピンク!」
ツ「嫌な思い出でもあるのかな!ピンクに対しての偏見がすごいね!」
ボ「リピートアフターミー、パープル!」
ツ「英会話教室みたいになっちゃってるね!一応言っときましょうか、パープル!」
ボ「今日も一日中家でゴロゴロ、スケルトン!」
ツ「あこれ、たぶんスケルトンの無色と、仕事ない無職をかけてるんだね!賢い!」
ボ「全員揃って、カラーレンジャー!」
ツ「お!カッコいいカラーレンジャー!」
ボ「そして巨大合体ロボ、カラーマン!」
ツ「合体ロボいいねぇ!」
ボ「操縦者は、氷結のブルー!」
ツ「大丈夫かな!?飲酒運転とかにはならないのかな!?」
ボ「次回のカラーレンジャー!『ホワイト、カレーうどんを食べる!』」
ツ「はねちゃわない!?シミできないように気を付けて!」
ボ「どうかな?新しい戦隊モノ?」
ツ「やめといた方がいい!もういいよ」
漫才台本その16「ハンカチ」
ボ「すれ違った女性がハンカチを落とした時に、『お嬢さんハンカチ落としましたよ』って声かけられる紳士になりたい」
ツ「しょうがねぇな、すれ違う時にハンカチ落としてやるよ」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「あ、お坊さん、ハンカチ落とし――」
ツ「お坊さんじゃないから!お嬢さん!」
ボ「お坊さん?」
ツ「お嬢さん!ハンカチ落としましたよ!やり直し」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「あ、お嬢さん、お坊さん落としましたよ」
ツ「お坊さんは落とさんねぇ!あいにく坊主は持ち運びしてねぇんだ!拾って渡してくれ」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「あ、お嬢さん、お顔落としましたよ」
ツ「落とすかそんなもん!俺はアンパンマンか!?」
ボ「(持った顔の口の部分をぱくぱくさせながら)オ、オレハアンパンマンカ!?」
ツ「そんなちゃんと落とした顔のほうが喋ってますよっていう演出いらないから!こまけぇんだよ!ちゃんとやれ!ハンカチ拾え!」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「はぁいどうもぉ~、今日もこの落ちてたハンカチを使って一発ギャグをやっていきたいと思いますぅ~!」
ツ「ちょっと待て!急に何してんの?」
ボ「あらぁ~?今日のお客さんは元気ですねぇ~!」
ツ「客じゃねぇよ俺!何してんの!?誰だよ!?」
ボ「どうも、ハンカチ広江ですぅ~」
ツ「そういうことじゃねぇんだよ!誰が売れないお笑い芸人をやれって言った!ハンカチを!拾え!って言ったの!やり直し!」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「あ、お嬢さん、ハンカチ、すぅ~~~(匂いを嗅ぐ)、落としましたよ」
ツ「一回匂いを嗅ぐな!気持ち悪いよ!普通に渡せ!」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「あ、お嬢さん、ハンケチ落としましたよ」
ツ「ありがとうございます!」
ボ「次からはハンケチ落とさないように気を付けてくださいね。せっかく綺麗なハンケチなんですから。ところでそのハンケチどこで買ったハンケチ――」
ツ「ご年配か!!ハンケチハンケチうっさいなぁ!普通にやれ!」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「あ、お嬢さん、ハンカチ落としましたよ」
ツ「ありがとうございます!」
ボ「あ、よく見たらそれ俺のパンツだ」
ツ「きったねっ!!何渡してんだよ!変態野郎!ハンカチを拾え!」
~
ボ&ツすれ違う
ボ「あ、お嬢さん、ハンカチ落としましたよ」
ツ「ありがとうございます!」
ボ「次からは気を付けてくださいね」
ツ「あの、お名前だけでも教えてください」
ボ「・・・ハンカチ広江です!」
ツ「お前かい!もういいよ」
漫才台本その15「男らしく」
ボ「もっと男らしくなりたいですね」
ツ「それな」
ボ「ちょっと練習させてよ」
ツ「いいよ。道端で悪い男の人に絡まれて、無理矢理連れてかれそうになって困ってる女の子がいて、そこに『ちょっと待った!その子から手を離せ!』って助けてあげるシチュエーションやってみない?」
ボ「男らしいね」
ツ「じゃあ俺、絡まれてる女の子やるわ」
ボ「じゃあ男らしくいくわ」
~
ツ「ちょっとやめてください、急いでるんで!離してください!」
ボ「ちょっとぐらい良いだろねぇちゃん!」
ツ「そっち!?そっちやんの!?男らしくなりたいんじゃないの?助けるほうやれよ」
ボ「こっちの方が男らしくない?」
ツ「助けるほうが男らしいわ!」
ボ「でも、助ける男って下心あるじゃん?どうせ助けた後に連絡先とか聞き出してあわよくばそっから仲良くなろうとしてんでしょ?」
ツ「偏見がすごいなぁ!絶対助けるほうが男らしいから。とりあえず助けに来い!」
~
ツ「ちょっとやめてください!離してください!」
ボ「・・・・・・ちょっとまっ!・・・・・・まっ!・・・・・・あのっ!・・・・・・あっ!・・・・・・ちょっ!」
ツ「縄跳び入れんやつか!なにリズムよくタイミングうかがってんだよ」
ボ「ちょっと止めに入るタイミング難しいわ。合図出してよ」
ツ「合図?」
ボ「入れるとこで、手叩きながら、はい!はい!はい!」
ツ「それ縄跳び入れん子のためにクラスメイトがやるやつ!すっと来いや!」
~
ツ「ちょっとやめてください!離してください!」
ボ「ちょっと待て!・・・・・・俺も混ぜろ!」
ツ「混ざってくんなや!なに止めてまで無理矢理混ざろうとしてんだよ!助けろよ!」
ボ「どうせ助けた後に連絡先とか聞き出してあわよくばそっから同じようなことするつもり――」
ツ「偏見はいいんだよ!いいから助けろ!」
~
ツ「ちょっとやめてください!離してください!」
ボ「ちょっと待て!・・・・・・あっちの子の方が可愛いぞ」
ツ「めちゃくちゃ失礼だな!他の子に被害がいくでしょうが。被害者を生みださないで。もっかいやるぞ」
~
ツ「ちょっとやめてください!離してください!」
ボ「ちょっと待て!その子から手を離せ!離さないと、こいつを撃つぞ!」
ツ「人質をとるな!小者臭いなぁ!」
ボ「こいつの方が可愛いぞ!」
ツ「そして失礼!正攻法で来い!」
~
ツ「ちょっとやめてください!離してください!」
ボ「ちょっと待て!その子から手を離せ!野郎ども!やっちまいな!」
ツ「数の暴力やめい!小者臭いんだよいちいち!一人で来い!」
~
ツ「ちょっとやめてください!離してください!」
ボ「ちょっと待て!その子から手を離せ!・・・なんだ?やんのかおらっ!ドカッバキッ!くそー!」
ツ「すごい!取っ組み合いの喧嘩をしている・・・!頑張ってー!」
ボ「くそぉ!このっ!早くその子から・・・手を離せー!」
ツ「離してなかったの!?でも今お前と取っ組み合いしてるじゃん!?手どうなってんの!?」
ボ「早くその!998本の手を離せー!」
ツ「千手観音だ!千手観音が絡んできてたんだ!?どういう状況だよ!なんで千手観音が来るんだよ!」
ボ「ったく!二度とこの子に絡むんじゃないぞ!あっち行け!」
ツ「追い払ってくれたんだ・・・ありがとうございます」
ボ「いやぁ~、しつこい宗教勧誘でしたね」
ツ「いや宗教勧誘には菩薩自ら出向かねぇよ!相手は人でやってくれ!神に歯向かわないで!」
~
ツ「ちょっとやめてください!離してください!」
ボ「ちょっと待った!その子から手を離せ!すみませーん、おまわりさんこっちですー!」
ツ「きゃっ!もう逃げちゃいました」
ボ「それはよかった。大丈夫でしたか?」
ツ「はい。助けていただいてありがとうございます。警官も呼んでいただいて」
ボ「はっはっは、警官は呼んでないよ」
ツ「え?」
ボ「(頭を指でとんとんと叩く)」
ツ「すごい!」
ボ「どこかでまたお会いしましょう!さよならっ!」
ツ「あ!待って!せめてお名前だけでも~!」
ボ「・・・はぁはぁ!すみません!警察です!」
ツ「え?警察!?さっきの人呼んでないって言ってたのに!」
ボ「もしやその人、私みたいな顔してませんでした?」
ツ「してました!」
ボ「そいつがル〇ンだぁ~!まぁ~てぇ~!」
ツ「なんだこの茶番はっ!!もういいよ」