漫才台本その19「彼女欲しい」
ツ♂「恋人欲しいんだよね」
ボ♂「え、そんな、ねぇ・・・、急に言われても/////」
ツ「お前じゃねぇよ。彼女が欲しいってことだよ」
ボ「え、そんな/////手術するためのお金たまってからね/////」
ツ「だからお前じゃねぇんだわ。性転換してくれってことじゃないよ。元から女の奴がいいんだよ」
ボ「でも、好きな人とかいるの?」
ツ「まぁ気になってる子はいるよ」
ボ「え?俺とお前、どっち似?」
ツ「なんでこの二択なんだよ。女の子なんだから女で例えさせろ。芸能人で言ったら誰似とかさ」
ボ「なるほど。豚で言ったら角煮?」
ツ「何が聞きてぇんだ。ただの豚の角煮じゃねぇか」
ボ「名前はなんていう子なの?」
ツ「え、そこまで言わないとダメ?」
ボ「名前でなんとなくイメージできるじゃん」
ツ「桜ちゃんって子」
ボ「桜ちゃん?いい名前だね。きっと両親はその子に、魅力的な綺麗な桜に育って欲しかったんだろうね」
ツ「桜に育って欲しいわけじゃねぇだろ。あったとしても桜みたいな綺麗な女の子だろ」
ボ「その桜とはどこで知り合ったの?」
ツ「いきなり呼び捨てにするな。馴れ馴れしいなおい。まぁバイト先の後輩なんだよ」
ボ「あぁ、死体清掃員の?」
ツ「そんな闇深バイトじゃねぇわ。そこで知り合ったやつとぜってぇ仲良くなりたくねぇよ。飲食店のバイトだよ」
ボ「どういう子なの?」
ツ「ん~、基本的に明るい子だね」
ボ「じゃあ夜は目立つねぇ」
ツ「物理的にじゃねぇんだよ。性格が、明るいの。今度ねぇ、ちょっと食事に誘おうと思って」
ボ「へぇ~、なんて言って誘うの?」
ツ「ほらさ、もうすぐ冬じゃん?冬といったらねぇ・・・、イベントがあるじゃんかさ」
ボ「あぁ、あれね?」
ツ「あれあれ」
ボ「ホー〇アロ〇ン2の再放送ね」
ツ「それじゃねぇわ。たしかに毎年同じ時期に放送されるけど。クリスマスだよクリスマス」
ボ「それもあるね」
ツ「クリスマス近いから、一人もん同士で食事いかない?って誘うつもりだよ」
ボ「ちゃんと誘える?」
ツ「誘えるよ」
ボ「・・・・・・先輩、話ってなんですか?」
ツ「・・・・・・これはやってみろってことかな。まぁやりましょう。・・・・・・桜ちゃん、クリスマスって予定空いてる?」
ボ「え~と、あ!その日バイト入ってました」
ツ「あれ?たしかシフト入ってなかったよね?」
ボ「死体清掃のバイトです」
ツ「闇深バイトかけもつな!飲食店のバイトしかしてないから!」
ボ「クリスマスですか?空いてますよ」
ツ「じゃあ、一人もん同士、一緒に食事に行かない?」
ボ「いいですよ」
ツ「ほんとに?じゃあさ、何か食べたいものある?」
ボ「家の柱ですかね」
ツ「シロアリか!人間っぽいもの言ってほしいな」
ボ「フレンチですかね」
ツ「じゃあフレンチの美味しいお店探しとくね!」
ボ「じゃあ私、15年前にいなくなったお父さん探しときます」
ツ「重い重い!何さらっと闇を告白してんだよ。桜ちゃんは楽しみにしててくれればいいから」
ボ「楽しみにしてますね」
ツ「そうだ、何か欲しいものある?」
ボ「欲しいもの?」
ツ「うん」
ボ「う~ん、北方領土」
ツ「戦時中か。いやよくわかってないけど。俺がプレゼントできるものがいいな」
ボ「じゃあ、この色紙に手形ください!」
ツ「力士か俺は!そんなことやってないから。何か好きなものとかない?」
ボ「お酒が好きなんで、それを飲むためのぉ――」
ツ「オシャレなグラスとか?」
ボ「頭蓋骨!」
ツ「武将か!頭蓋骨でお酒飲む女の子見たことないよ」
ボ「そうだ、先輩と私でお揃いの頭蓋骨にしませんか!」
ツ「気持ち悪っ!お揃いってなんだよ、双子かよ」
ボ「じゃあ今度のクリスマス楽しみにしてますね」
ツ「まぁ、うん、それなりに楽しみにしてて」
ボ「じゃあ、私これから用事あるんで」
ツ「用事って何?」
ボ「マグロ漁船のバイトです」
ツ「闇深バイトかけもつな!もういいよ」