漫才台本その13「金の斧銀の斧」
ツ「世の中懐かしいこといっぱいあるけど、子どものころ読んだ金の斧銀の斧って懐かしいよね」
ボ「それな」
~
ツ「よぉーし、今日も木を切るぞー、カーンカーン、あ!斧を湖に落としてしまった!」
ボ「ぶくぶくぶく、私は湖の女神。あなたが落としたのは、この金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?」
ツ「僕が落としたのは――」
ボ「正直に答えたほうがいいですよ!今の私なら、人ひとり、簡単に殺せるぞ☆」
ツ「怖い怖い怖い!斧持ってるやつが言っていいセリフじゃねぇよ!物騒が過ぎるわ!やりなおして!」
~
ツ「カーンカーン、あ!斧を湖に落としてしまった!」
ボ「にょきにょきにょき!」
ツ「待て待て!音がおかしいだろ!なんか湖から生えてきてるみたいだろ」
ボ「にょきにょきでいかせてよ!」
ツ「変だろそれじゃあ。ぶくぶくぶくで良かったじゃん」
ボ「それだと現在進行形で太ってるみたいじゃん!」
ツ「気にしすぎだよ!誰も思わないよそんなこと!ぶくぶくで出て来い!」
~
ツ「カーンカーン、あ!斧を湖に落としてしまった!」
ボ「ぶくぶくぶく、あなたが落としたのは、この金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?」
ツ「僕が落としたのは、普通の斧です」
ボ「普通の斧、を落とされた方は、3の、ボタンを、押してください」
ツ「お客様サービスセンター!事務的な対応するな!やりなおせ!」
~
ツ「カーンカーン、あ!斧を湖に落としてしまった!」
ボ「ぶくぶくぶく、あなた、金の斧にする?銀の斧にする?それとも、あ・た・し?」
ツ「新妻か!新婚ほやほやみたいなノリやめろ!僕が落としたのは普通の斧だ!」
ボ「あなたは正直者ですね。そんなあなたには、このシュノーケルをあげましょう」
ツ「え・・・・・・自分で取りに行けと!?潜って取りに行けってことか!?持ってきてくれよ!そんな不親切な女神ヤだわ!やりなおして!」
~
ツ「カーンカーン、あ!斧を湖に落としてしまった!」
ボ「ぶくぶくぶく、あなたが落としたのは、この金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?」
ツ「僕が落としたのは、普通の斧です」
ボ「あなたは正直者ですね。そんなあなたには、このイボ付き軍手をあげましょう」
ツ「え・・・・・・次から気をつけろと!?手を滑らさないように!?普通に斧を返してくれよ!やりなおし!」
~
ツ「カーンカーン、あ!斧を湖に落としてしまった!」
ボ「ぶくぶくぶく、あなたが落としたのは、この金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?」
ツ「僕が落としたのは、普通の斧です」
ボ「あなたは常時着物ですね」
ツ「常時着物ではないよ!落語家か僕は!正直者だよ!」
ボ「正直者のあなたには、座布団一枚あげましょう」
ツ「まだ勘違いしてるよねぇ!落語家じゃないから僕!いいから鉄の斧を返してくれ!」
ボ「えぇ~、どうしよっかなぁ~」
ツ「しぶるなよそこで」
ボ「・・・・・・女神様かわいー」ボソ
ツ「は?」
ボ「女神様かわいー」ボソ
ツ「言えと?おだてろと?言えば返してくれんだな?女神様かわいー」
ボ「女神様スタイルいいー」ボソ
ツ「楽しいかおい?この時間楽しいか女神さんよぉ?」
ボ「女神様スタイルいいー」ボソ
ツ「・・・・・・女神様スタイルいいー」
ボ「女神様品があるー」ボソ
ツ「・・・・・・女神様品があるー」
ボ「ふふっ・・・・・・知ってる!ぶくぶくぶく」
ツ「帰るなぁーーーー!!もういいよ」