漫才台本その10「刑事ドラマ」
ツ「刑事ドラマで犯人が立て籠もってる建物に突入するシーンあるじゃん」
ボ「あるね」
ツ「ちょっとやってみたいんで。俺ベテラン刑事やるから」
ボ「じゃあその部下の新人刑事やるわ」
~
ツ「よぉ新人」
ボ「先輩!おはようございます!」
ツ「犯人が立て籠もってる建物ってのはどれだ?」
ボ「おそらくあの建物だと思われます!」
ツ「あの白い建物か?」
ボ「違います!」
ツ「その奥の建物か?」
ボ「違います!」
ツ「どれだ?」
ボ「1キロ先の黒い建物です」
ツ「遠いな!マサイ族かお前は!ちょっと待て、建物はもっと手前で頼むわ」
~
ツ「犯人が立て籠もってる建物はあれか?」
ボ「先輩!・・・後ろ後ろ(笑)」
ツ「手前すぎるだろ!少し先にあるぐらいでいいんだよ」
~
ツ「犯人が立て籠もってる建物はあれか?」
ボ「あの黒い建物です」
ツ「犯人が入ってくとこは見たのか?」
ボ「はい!犯人は入ってくとこを見ていたおばあさんを見ていたサラリーマンを見ていた中年女性を見ていた男の子を見ました!」
ツ「ややこしいなおい!結局お前は見てねぇんじゃねぇか」
ボ「すみません!犯人を見ていたおばあさんは、もしかしたらおじいさんかもしれません!」
ツ「どうでもいいよその情報。お前がちゃんと見たことにしろ」
~
ツ「犯人が入ってくとこを見たのか?」
ボ「はい!犯人が歩いて入ってくとこを見ました」
ツ「そうか」
ボ「すみませぇん!」
ツ「どうした!?」
ボ「歩きじゃなくて、小走りだったかもしれません!」
ツ「どうでもいいよその情報!」
ボ「すみませぇえええん!もしかして、スキップだったかもしれません!」
ツ「楽しそうだな犯人!歩いて入ってったことにしてくれ」
ボ「歩いて入っていきました!」
ツ「犯人は何人組だ?」
ボ「三人組でした!」
ツ「相手は三人か」
ボ「こっちは二人・・・電話で友達一人呼びますね!」
ツ「呼ばなくていいよ!合コンの数合わせじゃないんだから」
ボ「もしもしタクちゃん?今から来ない?いや、突入するとこまで一緒にいてくれればいいから!そのあとはもう好きにしてくれていいから!なんだったら、一人お持ち帰りしてもいいよ!」
ツ「だめだよ!犯人を持ち帰るんじゃないよ!いいか、俺ら二人で突入するんだ」
ボ「二人きり?気まずっ!!」
ツ「気まずいとか言うな!仕事なんだから我慢しろ。犯人は何か武器を所持していたか?」
ボ「はい!たしか所持してました!」
ツ「なんだ?」
ボ「トランプとけん玉です!」
ツ「独特な武器!マンガでたまにいるけど!こいつ戦う気あんのかって武器!」
ボ「トランプ使うやつは強キャラですよ!」
ツ「そんなマンガあるある知らないから!拳銃とナイフとかでいいの」
ボ「ナイフとフォークです!」
ツ「食事中か!拳銃とナイフ!」
ボ「拳銃とナイフです!」
ツ「なるほど。こっちも準備はいいか?」
ボ「準備万端ですよ。ちゃあんと下に水着着てきました」
ツ「何の準備だ!これからプール行くんじゃないんだから!準備はいいか?」
ボ「大丈夫で・・・あ!すみません!」
ツ「どうした!?」
ボ「帰りに履くパンツ忘れました!」
ツ「いいんだよプールは!下に着込んでくやつのありがちな失敗だけど!準備はいいか?」
ボ「おっけーです!」
ツ「武器は持ったな!」
ボ「持ちました!俺の竹トンボが火をふくぜ!」
ツ「独特な武器!どうやって戦うんだそれで!拳銃は持ったか?」
ボ「はい!さっきドンキで買ってきました!」
ツ「オモチャじゃねぇか!本物持ってこい!拳銃持ったか?」
ボ「持ちました!」
ツ「よし!それじゃあ行くぞ!」
ボ「待ってください!」
ツ「なんだ!?」
ボ「ハンカチとティッシュ持った?」
ツ「お母さんか!大事なとこでふざけんじゃねぇ!準備はもうできたな!?」
ボ「待ってください!」
ツ「なんだよ!?」
ボ「トイレ行ってきていいですか!」
ツ「緊張感のないやつだな~!いいからさっさと行ってこい!」
ボ「はい!・・・あれ~、でもここら辺トイレないな~、近場にお店もないし~、どうしようなぁ~。仕方ない、あの建物のトイレに入ろう!突入ぅー!」
ツ「一人で突入しちゃった!もういいよ」