漫才台本その9「家庭教師」
ボ「将来家庭教師になりたいんだよね」
ツ「いい夢だね」
ボ「ちょっと練習させて」
ツ「いいよ。俺、生徒やるわ」
~
ツ「先生どうぞ入ってください」
ボ「お邪魔します」
ツ「すみませんね狭い部屋で」
ボ「いや、この広さなら野球できるんじゃない?」
ツ「そんな広くないでしょ」
ボ「テレビゲームの話ね」
ツ「ゲームの話かよ。じゃあなんだってできるわ。戦争でもできるわ」
ボ「まぁ犬小屋にしては広い方だよね」
ツ「犬小屋じぇねぇよ。人の部屋だよ。俺犬じゃねぇし」
ボ「そういえば出迎えてくれたのってお母さん?」
ツ「そうだけど」
ボ「最初お姉さんかと思ったよ」
ツ「そんな若く見えないでしょ」
ボ「阿〇ヶ谷姉妹の」
ツ「ババアじゃねぇか。人の親に対して失礼だな。さっさと勉強教えてくれよ」
ボ「じゃあはじめよっか」
ツ「今年高校受験だから、試験勉強でわかんないとこ教えてほしいんだけど」
ボ「高校受験か。志望校はどこ?」
ツ「近所のA高校だけど」
ボ「A高校か。あの女子の制服が可愛いとこでしょ?」
ツ「そこはどうか知らないけど。そういうので選んでないし」
ボ「じゃあ今度着てきてあげよっか?」
ツ「気持ちわりぃよ。なんで持ってんだよ」
ボ「それはさておき、君の今の成績ってどのくらい?」
ツ「まぁクラスで上から3番目くらい」
ボ「3人クラス?」
ツ「馬鹿にしてんのか。3人で3番目ってドベじゃねぇか。40人くらいいるわ」
ボ「結構頭いいんだね。科目どうする?」
ツ「苦手なんで国語から」
ボ「国語ね、任せといて。じゃあ問題解いててわかんないとこあったら聞いてね」
ツ「はい」
ボ「あ、ジャ〇プの最新号じゃん。読んでいい?」
ツ「別にいいけど」
ボ「面白いなぁ~、あれ、これなんて読むの?」
ツ「あぁそれ刹那って読むんだよ」
ボ「どういう意味?」
ツ「一瞬の時間って意味だけど、なんで俺が教えてんだよ!国語教えれんのか?」
ボ「実はちょっと苦手なんだよ」
ツ「そうなの?じゃあ理科でいいよ」
ボ「理科ね。じゃあ基本の実験器具を答える問題からね。容量を図るメモリがついてて、中で溶液を混ぜたりできる、円柱型の器具は?」
ツ「簡単だよ。ビーカーでしょ?」
ボ「ブーっ!」
ツ「違うの!?」
ボ「ヴィーカーでした」
ツ「発音関係ねぇだろ。理科だぞ理科。さっきからふざけてんだろ。もういいよ帰れよ」
ボ「わかったよ。お互い高校受験頑張ろうな!」
ツ「お前も受験生だったの!?もういいよ」