漫才台本その5「グルメリポーター」
ボ「グルメ番組のリポーターになりたいんだよね」
ツ「いい夢だね」
ボ「どうせなら高級店がいいよね。敷居の高い高級寿司屋をリポートしたいな」
ツ「じゃあ俺寿司屋の店長やるから、リポートしに来て」
~
ボ「さぁ今日紹介するお店は、地元の小学生に評判のお寿司屋さんです」
ツ「敷居が低いなぁおい!小学生に評判ってなんだよ。もうちょっと敷居高くしてくれ」
ボ「わかりました」
~
ボ「さぁ今日紹介するお店は、知る人ぞ知る隠れた名店であるお寿司屋さんです」
ツ「そうそうそんな感じだよ」
ボ「さぁ、その隠れた名店は・・・どこですかね・・・たしかここら辺に・・・うーん・・・見つかりませんでした!また来週!」
ツ「隠れすぎだろ!てか場所を事前に調べて来いよ。早く入ってこい」
ボ「ここにありました天狗寿司!」
ツ「なんだよ天狗寿司って。かっぱ寿司がちらつくなぁ。まぁ別にいいけど」
ボ「さっそく入ってみましょう。ガラガラガラ」
ツ「へいらっしゃい!」
ボ「すごい威勢のいい人がいますねぇ、話を聞いてみましょう!お仕事は何されてるんですか?」
ツ「店長だよ!らっしゃいって言ってんだからわかるだろ」
ボ「店長さんでしたか。では、さっそくお寿司の方いただいていきましょう!」
ツ「じゃあ何から握りましょう?」
ボ「じゃあ牛丼から」
ツ「ねぇよ!迷走してる回転寿司屋か!寿司を頼めよ」
ボ「わかりました。寿司屋ってのはね、これを食べればその店の技量がわかる寿司があるんですよ!」
ツ「まぁよく聞くね」
ボ「というわけで、ミートボール寿司を」
ツ「ぜってぇわからねぇだろ!食って何がわかるんだよ!うちは回転寿司じゃないんだから。魚を頼めよ」
ボ「じゃあトロで」
ツ「あいよ。トロ一丁おまち!」
ボ「すごい!まさに職人技!」
ツ「いえいえ」
ボ「今の一瞬でトロを一兆個!」
ツ「その一兆じゃねぇわ!一貫しか握ってないから」
ボ「そうでしたか。さっそく、ケチャップをかけていただきましょう!」
ツ「台無しだわ!変なものかけんな。そのまま食えよ」
ボ「いただきましょう!もぐもぐ!ん!おいしいですね!」
ツ「ありがとうございます」
ボ「これまた、店長の手汗がいい味出してますね!」
ツ「きたねぇこと言うなよ!気持ちわりぃな」
ボ「口の中でトロがとろける!・・・あ!口の中で、トロが、とろける!ふふっ、なんかすみません!」
ツ「まぁまぁ」
ボ「俳句になっちゃってましたね!」
ツ「なってねぇわ!字足らずが過ぎるだろ!そもそも季語がねぇし」
ボ「季語は『口の中』です」
ツ「おめぇの口内には季節感があんのか!ねぇだろ絶対!駄洒落になってたんでしょ」
ボ「あ!『口の中』と『おのののか』!」
ツ「そこじゃねぇわ!リズム似てるけど、おのののか出てきてないし。『トロ』と『とろける』のとこでしょ」
ボ「じゃあ次は、イカをお願いします!」
ツ「あいよ、イカおまち!」
ボ「おぉ!これ生きてますか?」
ツ「死んでるわバカ」
ボ「さっそくいただきます!もぐもぐ!お、このイカ、イカした味してますね!・・・あ!なんかすみません!」
ツ「わざとやってんだろ!意図的によぉ!」
ボ「義太夫になってましたね!」
ツ「ぜってぇなってねぇわ!どこがどうなって義太夫なんだよ!それも駄洒落だろ」
ボ「ほんとだぁ~!なってましたねぇ!」
ツ「わかってただろ」
ボ「『お、このイカ』と『おのののか』!」
ツ「いやリズム似てるけど!もういいよ」