漫才台本その4「コンビニ強盗」
ボ「コンビニ強盗って怖いよね」
ツ「たしかにね」
~
ツ「ウィーン」
ボ「いらっしゃいませー」
ツ「強盗だ!手あげろ!」
ボ「え!?強盗!?どうしよう!?とりあえず順番待ちの人いるんで、後ろ並んでもらっていいですか?」
ツ「余裕あるなおい。こっちは銃持ってんだぞ!早く金出せ!」
ボ「そうは言われましても、他の強盗の方も並ばれてるので」
ツ「他にも強盗いんのかよ。みんな律儀に並んでんの?馬鹿じゃねぇの」
ボ「今、八人待ちです」
ツ「どんだけ強盗いんだよ。厄日かお前。ちょっと待て、強盗は俺一人にしてくれねぇかな?ややこしいから」
ボ「強盗一人ね、おっけー」
~
ツ「強盗だ!手あげろ!」
ボ「い、いのちだけは助けてください!」
ツ「レジの中の金全部出しな!」
ボ「わ、わかりました!あ、あれ?あれ?」
ツ「どうした?」
ボ「レジの開け方がわからない!」
ツ「なんでわかんねぇんだよ。いつも開けてるだろ」
ボ「バイト初日なんで・・・」
ツ「使えねぇな。他の店員呼べ!」
ボ「すみません!今日僕しかいないです!」
ツ「どうなってんだよ。バイト初日でワンオペレーションってブラックすぎるだろ。ちょっと待って、何日か働いてる人にして」
ボ「おっけー」
~
ツ「強盗だ!手あげろ」
ボ「い、命だけは助けてください!」
ツ「レジの中の金全部出せ!」
ボ「わかりました!ちょっと待ってください!今出します!」
ツ「早くしろ!」
ボ「えっと・・・お箸お付けしますか?」
ツ「いらねぇよ。食べねぇから。早く出せ!」
ボ「えっと・・・温めますか?」
ツ「温めなくていいから!早く出せよ!」
ボ「えっと・・・年齢確認お願いします」
ツ「うるせぇないちいち!さっさと金出せばいいんだよ!」
ボ「すみません、今用意してきます!・・・警察呼ばないと」
ツ「おい、何するつもりだ!下手に動いたら撃つぞ!」
ボ「・・・(華麗にダンスを踊りだす)」
ツ「上手に動いても撃つぞ!」
ボ「(やめる)」
ツ「馬鹿なのかお前は」
ボ「(こっそりスマホを触る)」
ツ「おいお前!警察呼ぼうとしてんだろ!」
ボ「警察じゃないです!」
ツ「じゃあなんだよ!」
ボ「ヘイ、Siri」
ツ「Siriかよ。こんなときに何聞くつもりだよ」
ボ「レジの開け方!」
ツ「お前もわかんねぇのかよ!おい、さっきからふざけてんなお前。もう怒った、撃つぞ」
ボ「そんな!助けてください!」
ツ「いや、撃つ!パーン!」
ボ「うっ!!・・・ぐっ!・・・あれ?・・・生きてる!?」
ツ「おい、なんで生きてんだよ!心臓を撃ったぞ!?」
ボ「あ!胸ポケットに・・・からあげ君!」
ツ「助かるか!もういいよ」